« 5月3日(火) | Main | 11月9日(水) »

5月11日(水)

家のテレビをコミュファに替えるまでは、地元のケーブルテレビと契約していた。BS放送がダイレクトに受信できないのが不満で乗り換えたのだが、ケーブルにはケーブルの利点もあって、それはFM放送の電波が受信できることだった。

コミュファはFM電波を含まないので、今やドライブの際の車中でしか以下の番組は聴けない。NHK-FMの森のバロックやクラシックコンサート。民放ではサントリー・サタデー・ウェイティング・バーや山下達郎のサンデーソングブック。もっとも車の中でもHDDに録り込んだ曲を聴くほうが多く、近頃の自分はラジオから離れてしまったなあと思う。

けれども今でもラジオには愛着があって、今回の震災でラジオの存在意義が見直されていると聞くと、自分の子供が褒められたような気持ちになる。中学高校を通じて、一部の友達のようにオールナイトニッポンを聴いて夜更かしをしたりはしなかったが、テレビに比べて、映像が無い音だけのメディアを好ましく感じてきたのは何故だろうと、ふと考えてみる。躾が厳しかった我が家ではテレビの視聴が限られていたから、という理由だけではない。音だけを聴いて膨らむイマジネーションの豊かさや、テレビに出演しないミュージシャンが自分だけに対して親密に直接話しかけてくれる、あの感じ。

ラジオで聴く音楽はまた、自分の世界を拡げてくれるツールだった。FMfanをめくって目当ての番組をエアチェックした後に、それを素材にダブルデッキで編集してオリジナルテープを作る。雑誌の切り抜き写真をコラージュしたジャケット部分を作って出来あがりだ。あとは繰り返し、身体に染み着くように聴いた。それが1971年生まれのH氏が過ごした80年代だ。

だからカーラジオから流れる80年代の、特に洋楽のヒットナンバーを聴くと特別な感慨が湧き上がる。瞬時にH氏を包む空気が変わり、トリップする。あの頃の脳内エンドルフィンの分泌状態を身体が覚えていて、80年代の音楽が、パブロフの反射のように時代を飛び越えてH氏の中の扉を開けるのだろう、そうとしか説明がつかないと思うのだ。

|

« 5月3日(火) | Main | 11月9日(水) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15423/51643569

Listed below are links to weblogs that reference 5月11日(水):

« 5月3日(火) | Main | 11月9日(水) »