9月9日(木)
ペットボトル入りのワインを初めて飲んだ。
コルク栓を開ける手間が必要なく、キャップをひねれば容易に飲むことができる。
休日の昼、いつものワイングラスに注いで、飲む。
初めのうちは先入観があるから、瓶入りに比べて今一つ有り難くないというか、美味しくないような心持ちがする。
けれども千円くらいの値段だから、H氏にとっては安物ではなく、まあまあ中くらいのランクである。飲んでいるうちに、(酔いが進んで)、ペットボトルであることはあまり問題ではなくなり、グラスを傾ける。
ふむ、これはCDとLPレコードの関係と似ているな。H氏は酔った頭でそう考える。
LPで聴く音の魅力って、どこにあるんだろうと、ここしばらく考えていた。
ぱちぱちというノイズは曲間から完全に消え去ることはない。けれども音の造形がしっかりしているというか、一音一音の表面に、喩えて言えば、産毛が生えているという感じがする。
比べるとCDで聴く楽音は綺麗だけど、つるんとした感じである。
LPのほうが生きた音がする、そう思ったのだけど、そう認めてしまって良いのだろうか。
これらが、ワインとボトルの関係に似ていると思った。
つまり同じワインを、瓶とペットボトルにそれぞれ入れた場合は、瓶のほうが美味いと、きっと自分は感じるだろう。
LPの音がCDより良いというのは、それと同じ理屈なのではないかと。
最近は季刊誌ステレオサウンドのバックナンバーを引っ張り出してきて、アナログ関係の記事ばかり読んでいるが、CDがメディアとして熟成した現在においてもLPの最高の音はCDのそれを上回るというのが、評論家の定説であるようだ。
まあ、紙面で取り上げられる至上のアナログプレーヤは百万円以上するのだけど、それはさておき、H氏は現実的なところでもう少しきちんとした音で、アナログを追究したいと思って、中古でマイクロのDD-8というプレーヤを購入した。
資料によれば、1977年に発売されたダイレクトドライブ方式のモデルで、S字型の本格的なアームが付いて、重量は15キロである。
説明書が付いていなかったので、ショップで基本的な取り扱いのレクチャーを受けた上で帰宅後に実践してみたが、電源を入れてディスクを入れるだけのCDと異なり、カートリッジをシェルに取り付けたり、アームのバランスを取ったりといった、自分で調整する項目が多いことをあらためて知った。
ワインの味が同じなら、ペットボトルのほうが良いじゃない。
出てくる音が同じなら、取り扱いが容易なCDのほうが良いじゃない。
そう言いきれないのが趣味の難しく、面白いところである。
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Comments
アナログプレーヤ、ずいぶん渋いモデルを買いましたね。カートリッジを選んだり、いろいろ楽しみが増えたことと思います。また今度「瓶入り」の音を聴かせてください。
Posted by: Kau | 2010.09.13 at 02:41 PM
なにぶん古い製品なので、説明書が無いのが難点でしたが、説明書のコピーを持っている方をネットで見つけたので、これから送っていただくよう頼みます。乞うご期待。
Posted by: ☆ | 2010.09.14 at 11:52 PM