工作系

今は借家住まいだけれど、
いつの日か建てるであろうマイホームには
二つの欠かせないプランがある。
一つはオーディオルームで、構造はできれば
半地下が望ましい。夜中でも等身大の音量で、
ご近所さんに遠慮なく楽しめるように。
もう一つは小さくてもいいから作業小屋を作ること。
ここでは主に木工をすることになると思う。
◇
森博嗣というミステリ作家がいて、本業は大学教員であり、
M大工学部で助手をしていたこともあるらしいと風の噂で
知ってはいたものの、
それだけでは彼の本を読んでみようという決め手には欠け、
ようやく手にした初めての一冊は『アンチハウス』という、
自宅ガレージ建設の顛末をまとめたドキュメンタリータッチの
本だった。
初めて読む森博嗣の本として適切だとは言えないものの、
そして内容もそれほど面白いとは感じなかったものの、
読後に妙な引っ掛かりがあって、ならば小説を試してみようと
『すべてがFになる』を読んでみたら、あとは止まらなくなった。
犀川&萌絵シリーズも、瀬在丸紅子のVシリーズも風のように
読んで、四季の4冊こそ分りにくかったけれど、まあムードで
読まされてしまった。
理系人とはこういう人種であるものか、という新鮮な発見があった。
で、いま読み終えたばかりなのが『工作少年の日々』である。
自宅敷地に庭園鉄道を張り巡らして遊ぶモリヒロシ、
ラジコン飛行機を作って飛ばすモリヒロシ、
散らかし放題で奥さんには弱いモリヒロシの姿が、
駄洒落と成り行き任せに満ちた(ように見える)文体で語られる
著者初の本格エッセイ集となっている。
かつての日本家屋には土間や納屋があって、作業スペースとして
機能していたのに現在は失われてしまったという指摘や、
散らかし放題で工作していた昔のほうが、整理整頓を身に付けた
現在より生産性自体においては優れていたという発見とか、
忙しい忙しいと言う人ほど…とか。
肯かされるところと励まされるところ多し。









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